2010年

学校にいると 時間が速くたつ
子どもたちといるので速く過ぎるのか
この前1月が
もう2月なかば
子どもたちのエネルギーが時間をも動かすのか
そうだ
このエネルギーを利用して
時間に乗り 時間から抜け出せないか 考えている
世代を抜け 老いからも抜け出せないか
なんて考えているのだが               (2/11)


週末は、少しのアルコール それで癒される
小さな幸せ
そして音楽のシャワーを浴びる
父と母の思い出を早く書かなければならない
忘れてしまう前に
「ベニコン、ベニコン」と歌っていた父
菩提樹を歌っていた母を
18、9が70年とは、最高についていたと言ってよいだろう
今となっては
激動の時代を生きていたこと
音楽のシャワーを浴びてまた生き返る       (2/20)


佐川光晴著「ぼくたちは大人になる」を読む
なつかしかった
20から24まで学生寮にいた
ぼくの青春だった
よく4年間もいた
北大は今もあこがれだな
だから今も通っている
彼女はどうしているかな
北大に行くたびに思い出す
あの時の風景を
ほんとに大人になれたかな
22の息子が隣にいて
そう思う
だけどこれからでもいい
ほんとの大人になりたい     (3/1)


「前線にも春がきた」という歌があった
教師33年
今も子どもと親との最前線にいる
まだまだ当分続くだろう
休日には隊伍を整えなければならない  (5/7)


  父と母の思いで

私の父は、44歳、母は66歳で亡くなった
私が小学校5年生の時と45歳の時だった
父との思いでは少ない
よくキャッチボールをした
素振りの練習をさせられた
自転車の後ろに乗って学校まで連れていってくれた
花火大会 お祭りにも行った
職員旅行にも連れてもらった
そこで父は、「ベニコン、ベニコン〜」と歌っていた
当時買ったポータブルプレイヤーで「いつでも夢を」を練習していた
社会の勉強を教えてくれた
頭にできものができたと言って母に薬をつけてもらっていた
最後に入院する時、家からタクシーに乗って行ってしまった
母は、ドイツ語で「菩提樹」を歌っていた
父が亡くなった時は、まだ35歳だった
それから苦労をして子ども二人をそだててくれた  (5/22)


   子ども
子どもは かわいい
子どもは うるさい
子どもは 憎たらしい
子どもは こわい
子どもは おもしろい
子どもは 楽しい


2011年

今日、銀行で財形年金ワイド型を解約した
ということは65まで働くということだ
いいきっかけだ
これで決意が固まった
退職したらカンボジアへという
夢もなくなった
働くこと
チェーホフの三人姉妹のように
働くこと                  (8/10)


なんと多くの時間を
失くしたことだろう
何かを生み出すための
喪失なのだろうか
わからない
時間とひきかえに
受け取ったことは
何か
まだわからない
夢も一つずつ
なくなっていく
現実という前では
老いるとは
こういうことなのだろうか   (8/10)


今日で一つ年をとる。来年は、いよいよ勝負の年だ。
だが、気持ちは、今でも少年、青年のままだ。
がつがつしている。
いつまでも成熟しない。
ほんとは、
成熟した態度、身なり、声、顔つき、表情、言葉
大人としての対応、意見の言い方、批判の仕方、感想、質問の仕方、キレ方、傷つけ方が
求められる 
というか そうなっていなければならない ほんとは
「成熟」というイデオロギーに「現実」という物体をぶつけ
涙をふいて歩いていこう  (12/30)

2012年

59歳
テレビのない時代を知っている
家族でラジオの大相撲を聴いていたことを
フラフープもだっこちゃん人形も
学校の帰り途馬橇に乗ってきて母に叱られたことを
安保反対も
坂本九も吉永小百合も橋幸夫もみんな若く
「上を向いて〜」「いつでも夢を〜」と歌っていたことも
「見上げてごらん夜の星を」の映画を見て変だと思ったことも
「喜びも悲しみも幾とし月」の映画や歌がはやったことも
舟木和夫の「高校三年生」の映画も三田明の「美しい十代」も
長嶋や王や金田が若く現役で活躍していたころを
力道山の空手チョップをまねしていたころを
グループサウンズがはやり、ビートルズが来たことも
スキーはカンダハーだったことも
お祭りには傷痍軍人がアコーデイオンを弾いていたことも
教室のストーブが石炭スト−ブだったことも
日直が灰を捨て石炭を用意したことも
レコードやフォノシートを聴いていたことを
まだ蓄音器があったことも
雪スケートで遊んだことも
空知川でスケートしたころも
くぎさし、ビー玉、パッチ、肉弾、馬飛び、相撲で友達と遊んだことも
小学校の修学旅行が2日あったことも
お風呂が混浴だったことも
大阪の万国博覧会に行ったことも
札幌オリンピックを見たことも
地下街や地下鉄ができた時も
札幌にもっと電車が走ってころも
ケネディや三島由紀夫も
ベトナム戦争反対、大学闘争も
おじさんは、こんなことをいっぱい背負いながら生きている
そして
家族がみんないてまだ若く小さかったころを
知っている                        (1月2日)


ゴールが目の前なのに
なんて遠いのだろう
今日は5月6日
外には さくらが 咲いている
雨があがり
久しぶりの天気
今日 息子は帰る
今日も一日が始まる
雨あがりに
虹をかけよう
心と心に
雨の弓を         (5月6日)