社会科 授業案
1.単元名 日露戦争 (二つの戦争と日本とアジア)
2.単元設定の理由
@日本とロシアは現在も平和条約は,結ばれていない。江戸時代末期からロシアは,北海道や日本近海にあらわれ,1855年に日露修好条約(北方四島は日本,樺太は雑居地帯)1875年に交換条約(全千島列島は日本,樺太はロシア) 1905年のポーツマス条約で日本は南樺太をとり,1945年の敗戦によって全千島列島,樺太はソ連になった。
北海道とロシアは,距離も近く,先住民族同士の交流の歴史もあった。そして北方四島の問題は,まだ未解決であるが,ビザなし渡航のようにサハリン(四島)と行き来できるようにもなってきた。これからは,日本とロシアの関係を考えていく必要を感じる。そのためにも 二つの国の歴史の事実をおさえていきたい。
A日露戦争は,20世紀初頭の戦争である。この戦争に「勝利」した日本は,以後 太平洋戦争まで進むことになる。歴史にifは,ないと言うが、もしこの戦争に負けていればちがう歴史をたどったであろう。20世紀の終わりまで後4年。1992年の湾岸戦争まで20世紀は、戦争の歴史でもあった。なぜ戦争は,起こるのか? 実際の戦争は,どうだったのか? 中心的人物は? 死者の数は? なども考えてみたい。
また この二つの戦争で日本は,朝鮮、満州へ侵略するようになり,国内では「産業革命」をする。国民の動きについても気をつけてみていきたい。
B日露戦争には、札幌の第25連隊,旭川の第7師団が旅順へ行き、戦闘に参加しているつきさっぷ資料館,月寒忠魂碑,護国神社にそのあとがある。それらを紹介しながら身近な歴史として考えていきたい。また正露丸,東郷ビールなど いまだ名残があるものもとりあげていきたい。
Cこの単元の学習の前に子どもたちにロシア,朝鮮,中国について知っていることを書いてもらった。私たちも実際あまり知らないと思う。また私たちは,歴史を通史的にしか学習してこなかったし,授業でもそうなりやすい。何年に何が起こったのを覚えることも大切だが,もっと物事にせまって考えることも必要であろう。そういう授業をなんとか組織できないだろうか。しかし、そのためにはあまりにも時数が、かぎられている。
今回の授業研を通して知らなすぎることが多かった。 そして最後は,「歴史を なぜ学ぶのか?」という歴史学習のとらえかえしまでいくと思う。
3.研究の視点
@教材化について
日露戦争当時の資料はあったけれど,本によってたとえば死者の数などちがっているのが多かったのでどれを採用したらよいのか、たいへんこまった。せいろがんについて大幸薬品に問い合わせしたところ返事と薬を送っていただいた。コマーシャルも録画できた。つきさっぷ郷土資料館,護国神社,月寒公園,豊平神社で ビデオ,スライドにとりこれらは,視聴覚教材として利用できそう。
A「なぜ」を大切に
近、現代史の授業にはいり,特に気をつけていることは、なぜということです。「なぜ 幕府は 開国したか」「なぜ江戸幕府は たおれたか」「西南戦争は なぜおこったか」「日清戦争、日露戦争は なぜおこったか」 少しでも原因がわかってくるとおもしろくなってくると思います。
4.学級の実態
社会科の学習のなかで
社会科の学習も ・体験学習 ・調べ学習 ・授業と大きくあると思います。体験学習では、5年生の時に 紙づくり,はたおり,土器づくり,綿や稲を育ててきました。
6年になり、石器づくり,火おこし,蚕をそだてたり,地球の歴史年表づくり,釘からナイフづくり(鋳造)をしてきました。こういう時は、熱中してやります。調べ学習では、資料を利用しながら子どもたちが、興味あるところを調べていきますこれも積極的にとりくみます。授業ですが,前にも書きましたが、通史的になってしまったところがあります。もっと・仮説をたてそれを検証していく授業とか、討論をしていく授業も考えられると思います。しかし、これらをとりいれるにしても何と言っても時間が、たりません。 ロシア,朝鮮,中国のことについての予備知識も差があり、それほど深くありません。それを授業でどう組織していくか、むずかしいところです。
5.本時(3/7)の目標
日本とロシアが 戦争していたことが、わかる。死者の数も多く,中心的人物や戦争のようすの一端が,わかる。
なぜ歴史を学ぶのか? (子どもたちの意見)
・歴史を学ぶのは,人々のくらしや社会がどのように発達してきたかなどを知って,どうやっていく事が
いいかを考えていくためだと思います。中国や朝鮮から技術などが伝えられたり,オランダ語で書かれた医学書を手に入れて学んだりと,文化が伝えられてきたりしていたんだなと思いました。でも戦争をしたりしていやな事もあったけど,そういうのをやってはいけないという勉強で,歴史は,とても大事だと思いました。
・なぜ歴史を学ぶのか。それは,生きていくためにどんなことをすればいいのかわかるために学ぶのである。同じあやまちをおこさないためにも今までのできごとを知る必要がある。自分の考える力をつけて自分の考えをもてるようにしないといけない。そして、こうしたらああなるということを歴史を学びわかるようになるからだと思う。社会で生きていくための知識をつけるためであるから学ぶんだとおもう。
・昔の生活やでき事を学び,どのようにして今の日本ができ,今の自分達の生活がなりたっているのかを学ぶ。昔の人々の苦労を知り,今のくらしとくらべてみて,今をどう生きるかを考えるために 歴史を学ぶと思う。
・今の人たちに昔の人の苦労やでき事などを伝えるため。
・今、私たちが生きているこの人間社会がどのようにつくられて,今現代が あるのかを知り,それぞれの時代を生きてきた人々の努力,知恵,行動などのうつりかわりや,現代とどうちがうのかを比べたり,調べ,昔のでき 事を知るために私たちは歴史を学ぶのだとおもいます。
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