2004年

・ベランダで娘と二人夕食をとる物言うは七輪のはぜる音のみ

・はるか昔恋人と来た海よ今は一人海を見ている

・訪ね行く私の小学校今はなくただ広がる草原木々の群れのみ

・訪ね行く昔の我が家今はなくテニスコートと切り株だけに

・あの道もこの道もある小学生の時父と一緒に通った思い出

・私の小学校今教師となりて訪ね行くあの子らの中に私がいる

・勤務した2校目の小学校訪ね歩くポプラ並木の下夢のよう

・新婚のアパートまだある錆び付いた曲がった階段出会った頃のまま

・山を見て思いとどまり八月の空は青くのびていく

・暑さすぎものみな我を一人にす今日一日をいかに過ごさん

・暑さすぎ残暑ない野分かな風わたる夏の終わりに

・誉れある明日は来るのか欲のない日々の営み麗しきかな