ポランの広場 | |
ポーラーノの広場のうた(宮沢賢治) つめくさ灯ともす 夜のひろば むかしのラルゴを うたいかわし 雲をもどよもし 夜風にわすれて とりいれまぢかに 年ようれぬ まさしきねがいに いさかうとも 銀河のかなたに ともにわらい なべてのなやみを たきぎともしつつ はえある世界を ともにつくらん 「ポランの広場」は、賢治の思想性が強く出ている作品だと言われています。この作品の舞台となっているのが、盛岡近郊にある小岩井農場です。 10月3日、午前中の研究授業で切り上げ、盛岡から小岩井農場へ向かった。12時着。 着いた所が、遊園地で入園料、売店、放送設備が完備されてあった。ちょっとびっくりしたけどずんずん奥へ入って行った。 およそ3時間歩きまわる。岩手山が向こうに見える。防風林がならんで立っている。牛がいる。 秋晴れで僕は、野原に寝ころがる。風の音が聞こえる。 また岩手山に向かって歩き始める。上下の起伏が激しい。暑くて汗が出る。手前に大きな林があらわれる。 岩手山は、あいかわらず遠くだ。もどりはじめる。 ポランの広場で道に迷った理由がわかりかけてくる。仕方がないから写真をとる。岩手山には、コスモスの花がよく似合う。 ヘリコプターに乗ってみる。小岩井農場の全貌が、あきらかになってくる。盛岡市が向こうに見える。牛たちは小さく、岩手山は近くなる。 小岩井農場(宮沢賢治) …それよりもこんな心象の明滅をつらね / すみやかなすみやかな万方流転のなかに / 小岩井のきれいな野原や牧場の標本が / いかにも確かに継起するといふことが / どんなに新鮮な奇蹟だろう …明るい雨がこんなにはげしくそそぐのに馬車が行く / 馬はぬれて黒い ひとは くるまに立って行く もうけっしてさびしくない / なんべんさびしくないと言ったとこで / またさびしくなるのはきまっている けれどもここはこれでいいのだ / すべてさびしさと悲しさを炊いて / ひとは透明な軌道をすすむ / ラリックスラリックスいよいよ青く / 雲はますます縮れてひかり / かっきりみちは東へまがる 賢治が小岩井農場である種の決意をしたように、僕もそれをしたかった。しかし賢治のそれは、はるかかなたであることがわかってきた。 同時に経験とは何かを考えはじめている。このことは、つまり僕がまだ過度期にいるということに他ならない。 後は、神代にある「わらび座」でソーラン節を習い、田沢湖、啄木の渋民村、盛岡の郷土資料館などいろいろ 見学=学習してきました。 1980年 |
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