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高校時代
一年前
遠く 薄闇の中から聞こえてくる
汽笛のように
あるいは
目の前にある 電灯のように
思い浮かべる
それは
孤独との戦いでした
焦燥との戦いでした
自分との戦いでした
春
春は そこまで来ている
さあ来い
今年の春は
あの山で
小さな福寿草を
いっぱい取って
みんなに分けてやるんだ
そうしたら
みんなの笑い顔が
きっと春風といっしょに
飛び立つだろう
雨
ひとつぶの雨が 屋根にくだける
ひとつぶの雨が 葉にしみこむ
ひとつぶの雨が 皮膚に くいこむ
雨は 何も知らない
この地球が 汚れていることを
この地球が 黒いことを
雨よ おまえは それを
消してくれるだろうか
エルムケップ
エルムケップ それは864.5
m
頂上の三角点は こわれていたけれど
そこに吹く風は 強く 寒い
今 僕の下に住む 何千の人々に
語りかけ ほほ笑みかけたい この心
何故か わからぬ
はるか遠方にのぞむ
芦別岳 十勝岳 大雪の山々
くっきりと天に浮かぶ
壮大なあまりにも壮大な景色よ
この感激をかみしめて
強く
もっと強く生きよう
山行
どんよりした朝焼けだ
東の空が 低く赤みを おびていく
コマドリが さえずる
川の音が 一段と激しくなる
ラジュースの音が 高まる
一条の光線が 目に入る
今日も やるぞ
これ以上 何を欲するというのだ
大自然につつまれているだけで
何が不足だというのだ
僕の下に雲が行く 真白い純白の雲が
青い空が 緑の山々が 眼下に見える
自然よ 広大な自然よ
おまえは すばらしい
おまえは 永遠に その生命の灯を消さないだろう
その緑を 我々に与えてくれ
その冷たい水を与えてくれ
そして安らかであってくれ
夕焼けが 山と山の間に入り
くっきりとした異様なまでに
夫婦岩と新白岩を照らし
まるで地獄のかざり絵のように
そんな景色だった
思い出
ラジュースが 快い音をたてて燃えはじめた
日は まだ上らない
僕の高校生活をふりかえる
なんとなく入った山岳部
いや あの頃は 何かやってみたい
それだけだった
初めて登った山は 僕を疲れさせた
しかし何となく幸せだった
先輩に どやされても
山に登っている時は すべてを忘れ
渇いたのどに 沢の水を飲んだ快感
頂上に立った時の言い知れぬ喜び
君は 夢の中で何を話していたのですか
汽車の中から見える山の話でしたか
それとも山行の苦しかったことでしたか
君のチョッキの色は どんなだったろう
君は 風で髪をなびかせながら
僕に言っていたね
僕は 聞こうとして
一生懸命に耳をかたむけたんだよ
僕は うなづいた
でも僕は 忘れてしまった
君の笑顔と いっしょに
2Bの青春
鉛筆が走る
そこに青春がある
僕の青春がある
黒くぬりつぶされた紙に
数字が乱れた紙に
青春がある
生きがいがある
この2Bの鉛筆に
僕のすべての精神を集中させるのだ
ここに青春がある
僕の青春がある
2Bの青春がある
フォーマイドッグ
また春が やって来た
暖かな春の日差しの中で
おまえは ゆったりと夢みている
土のにおいが 鼻につくころ
新しい命が 芽生える
長かった冬も 終わり
やがて雪も 消えるだろう
おまえにとって 10回目の春
もう目やにが とれなくなってしまったけれど
鼻も耳も悪くなってしまったけれど
大きく背伸びをして
大きくあくびをして
再び寝入った おまえ
とても暖かい午後だから
とても気持ちよい春だから
僕は おまえを なでるのです
生命ある日に
生命ある日に 詩を書きたいのです
生命ある日に 歌を歌いたいのです
ばからしいって?
生命ある日に 恋をしたいのです
生命ある日に 幸福をつかみたいのです
人生は そんなに長くないって?
誰が そんなことを知るでしょう
生命ある日に
詩を書いた人が
歌を歌った人が
恋をした人が
幸福を求めた人が
生命ある日に最も長く生きた人でないでしょうか
無題
今日は 楽しい夢をみたんだ
緑の山々
友達の顔
なつかしい校舎
ああ そうか
僕は もう高校生じゃないんだ
彼女には ついに一言も言えなかったけれど
あれで よかったんだ
ああ そうか
僕は もう高校生じゃないんだ