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予備校時代
卒業
妙にテンポの遅い
卒業のテーマ音楽が ながれている
卒業して もう一か月たった
友は みな行ってしまった
明日は 僕も この地を出て行く
思い出の三年間が 次々と浮かんで消える
なつかしい友よ 先生よ 校舎よ 校舎に至る道よ
僕は ここに ふるさとを見る
そうだ 僕は もう帰らないのだ
もう決して帰ってはならないのだ
妙に遅い 卒業のテーマ音楽が終わる
春
ひびわれた土の中を
僕は 一歩ずつ歩く
春を確かめながら
新しい草の上を
僕は そっと歩く
春を確かめながら
ポプラ並木を
僕は ゆっくり歩く
春を確かめながら
光を顔一面にあびて 僕は 歩く
光を両手にうけて 僕は 歩く
春よ 18回目の春よ
今年も またやって来たと
春の野原に
春の野原に逃亡しよう
雨あがりの野原に
一人きてみた
風が強くても 日が照らなくても
きてみたかった
誰もいない所に一人
眠たいから 雨あがりの原っぱに
歩きたいから 風の強い原っぱに きてみた
今日は もう少し遠くへ行ってみよう
向こうの方に 春があるかもしれない
歳月
歳月は 川のよう どんどん流れる
歳月は 雲のよう どんどん過ぎ去る
歳月は 風のよう どんどん吹きすさぶ
ああ昔よ 過去よ 幼い日々よ あの頃の自分よ
18年という時の重さに 18年という時の価値に耐えきれず
一人さまよう
今日も一日が終わった
毎日が過ぎていく
風のように 夢のように
時が通り過ぎていく
だまったままで 一言も言わず
君よ 君よ
僕は 今 札幌にいるんだよ
二人で歩いた道を いつも歩いているんだよ
でも あの喫茶店には行ってない
今日の雲は 何だろう
すじ雲
あの日は とても寒かった 風が強くて
夕焼け
君の頬は 真っ赤だった
夢のように 時は 去っていく
風のように 時は 去っていく
七月が またやってきた
青葉 君は うれしそうに笑っている
そばにいるのは 誰?
僕は 知らない
君は 明日も笑いながら生きていく
僕は 今 札幌にいるんだよ
僕も生きていく
歳月は 空のように果てしなく
澄みきった明るく なごやかな青い色
時
髪の毛が ぬけていく 白髪が ふえていく
しわが ふえていく 体力が おちていく
わたしの体よ
町が すぎていく
学校よ 公園よ 若い日々よ
時は ながれて
隠れて生きる
汗をかきながら 逃げる自分
幾多の失敗 幾多の恥
どれだけ受ければいいのか
時は ながれて
一度 人は 子どもだった
一度 人は 青年だった
一度 人は 老いる
一度 人は 死ぬ
過ぎ去った日々は 二度と もどらず
風の中で 昔の声を聞く(*)
まぶしい 春の陽をあびて
過ぎ去った日々は 再び もどらず
夢よ ふたたび
今年の夏も すでに遠く
秋も 過ぎ去り
冬が 雪の用意をして 待ち構えている今日
夢よ ふたたび
涙の後に 絶望の後に 捨て去った後に
おまえ また僕の所に やってきた
長かった孤独は これから一緒に埋めていこう
今までの空白は これから がんばろう
まだまだ時間は あるさ
耳をすますと
耳をすますと 地の中から聞こえてきます
生の息吹が 自転と公転の振動が
暗闇の中で 耳をすますと
男と女の戯れが 男と女のなつかしい会話が聞こえてきます
さあ出発しよう 人生という大海原に もう耳をすますことなんかない
ごらん 太陽は 僕らが生きている間 決して滅びはしない
人生 人生 さあ やってみよう
迷いの中に僕は いる
崇高な? いやいや ほんのちっぽけな悩みさ
勇気をだしたまえ 今すぐ立ち上がりたまえ
今日という日は 今という時間は二度とやってこないのだ 自覚したまえ ああ 青春の日々に かくもつまらないことで悩むとは!
ひとり
寝床に入る前 いつも何か忘れているみたいで
そんな気がして 電気を消してから考えてみる
鍵は かけたか 風呂場の火は消したか ガスの元栓は しめたか
何か一つ忘れているみたいで 思いだせない
深い夜の沈黙につつまれて 聞こえてくる時計の音
深遠の中で横たわっている私
世界中で一人の私 宇宙の中に横たわっている私
子守歌は 振り子の音 時間の子守歌
永遠の
それにしても忘れ物は いったい何だろう
暖かな秋の陽が入ってくる午後
スズメの声 カラスの声 犬は後ろ足で背中を掻いている
風力3 下層雲 大根の緑の葉っぱ 黄色 赤くなった木の葉
遠くのやまなみ 秋の午後 18才 静か…
無理に がんばることなく
無理にがんばることなく 常に平常で 常に自然であって
何事がきても おどろかず 何が起こっても びくともせず
他人には 無関心であって
それだから なおさら これはと思った人には 交わり
よき師を求め よき友を求め
それだから なおさら 自分もよき生徒となり よき友となり
多数派ではなく いつも少数派であって
自分の満足している道を まっしぐらに進み
他の仕事には よそ見をせず
口だしをせず おせっかいをせず
自己に対して失望しないで 常に積極的に働こうとし 常に快活であって 他人 に対して不平を言わず 文句を言わず
一切の些細なことには 気にしないで
常に生命の本質に目をくれて
過去のことは 終わったものとして あきらめて
ただ それを土台にして未来をよりよく生きようと心がけて
過去のあやまちは 気にせず 悔やまず 素直に認めて
そして早く忘れて
過去の よい思い出も さっさとしまいこんで
現在を生きることのみ集中して
実現しそうもない夢を見ず
一歩一歩 確実に努力して うまくやろうなんて気をおこさず
ただただ自分が できるところまで全力をつくし
それでだめだったら あきらめれるような
淡々として何が起こっても びくともせず
何を言われても気にせず
ああだ こうだと考えないで
素直に こういうものだと納得し
いつも自分は どう生きたらよいのかと思って
いつも自分の最善の道は何かと考えて
決まったら まっしぐらに 目もくれず
いつも海のような広い心をもって
いつも青空のような澄んだ心をもって
いつも森のような丈夫な心をもって
ただただ 僕は 生きていきたい